恒常性 体温



スライド1 表紙 

Phase1では恒常性(homeosistasis)体温

スライド2 目次

スライド3 体温とホメオスタシス

ヒトのホメオスタシスの中でも最重要なのが体温の調整だといえます。通常体温は腋窩で簡単に測定ができます。多く利用されているのが簡便に測定できる1分計かと思いますが、この時の体温は予測温度で表示されるようになっています。正確に測定するには10分程度の時間を要しますが実際には1分程度で凡その体温は分かります。体温は測定箇所によって温度が異なってきます。測定場所を一定にすることが良いと思います。体温の中でも重要なのは深部温度になります。しかし、この深部温度を測定するには精密な機器を使わなければなりませんので、実用的ではありません。後日「研究室で行ったヒト試験」のページで研究の結果をご報告します。

スライド4 自律性体温調整・行動性体温調整

体温の調整には「自律性体温調整」と「行動性体温調整」が有ります。自律性体温調整は皮膚のセンサーから送られてくる情報を脳内の「基準温度(平熱)」で維持するようになっており、暑い場合は発汗による気化熱で体温を下げる。寒い場合は血流を減少させ放熱を抑制する等など。微妙に調整を行っています。行動性体温調整では私たちが実際に経験することがあるように、寒い時には暖かい場所に移動する。服を着る。エアコンを調整する等、至適な環境を自ら作り出す行動です。下界の環境の変化に対してヒトは様々な臓器からホルモンを分泌します。体温を上げるときに働くホルモンは3つ。 「甲状腺:チロキシン」 、「副腎皮質:糖質コルチコイド 」、「 副腎髄質:アドレナリン」 で、それぞれ 骨格筋 、 肝臓 、 心臓 に作用し発熱の増加と放熱の抑制を行います。要するに熱を作って逃がさない、ですね。一方体温を下げる働きには代謝を抑制する。汗をかかない。女性では女性ホルモンのエステロゲンが体温を下げる働きがあります。いずれの体温を上げるにしても下げるにしても脳内の基準温度(平熱)が作用している訳です。


スライド5 外界の環境変化に対するヒトの対応

外界の温度が低い場合や、高い場合には皮膚の温度感知センサーでキャッチし、脳に伝えます。「視床下部」→「脳下垂体」の機能として、自律神経とホルモン分泌を介して全身の内臓機能や体内環境を統合的に調節する中枢です。視床下部は循環器系や消化器系の機能をつかさどる自律神経や摂食調整などを行う「中枢」です。そこからホルモンや神経で脳下垂体に指令を出し、脳下垂体が各内分泌臓器に命令を出します。
体温調整では「視床下部」→「脳下垂体」そしてそれぞれの臓器へ連絡する。そのそれぞれの臓器である甲状腺・副腎皮質、副腎髄質へ情報をつたえて体温を上げる働きをするのです。気温が高い場合も同じような伝達方法で情報を伝えます。あるホルモンが過剰になると、そのホルモンが視床下部や下垂体ぜんように作用し、分泌されたホルモンや刺激ホルモンの分泌が抑制されます。内分泌系は階層によって支配されています。下位のホルモンが上位のホルモンの分泌を制御するシステムで、上位の内分泌腺が分泌するホルモンにより下位内分泌腺が刺激され、さらに下位の内分泌腺がホルモンを分泌という機構が順におこなわれます。最終的に標的細胞にホルモンが作用する。これらの働きで平常時の体温が保たれています。この下位のホルモンが上位のホルモンの分泌を制御するシステムを「ネガティブフィードバック」といいます。
スライド6 体温の変化と症状・深部温度とは

ヒトは低体温では命の危険があります。何故、体温が下がると命にかかわるのでしょうか?。低体温では血流が悪化し、酸素や栄養の供給が滞ってしまいます。30℃を下回ってしまうとシバリング(体の震え)もできなくなり、昏睡状態に入ってしまいます。さらに体温が下がると心肺停止となってしまいます。
因みに、体温が1℃上昇すると基礎代謝は10%~13%上昇するといわれています。基礎代謝ですので「生きるためのエネルギー」の要求量が増えるという事です。しかし、疾病などにより発熱した場合には食欲がなくなったりします。食事を摂らないという事は「カタボリズム(異化作用 (異化代謝) ともいう」が起こってしまいます。不足したエネルギーは自分の体(グリコーゲン、筋肉(タンパク質)を異化しながら供給しなければなりません。所謂、自分の体を食べている状態です。食事を摂ることができないという事は異化作用が亢進するとともに水分も摂れないという事です。発熱したらカタボリズムの防止のためにもエネルギー源の供給は必須です。とりあえずアイスクリーム一つですね。

スライド7 体温と酵素活性

体温の低下は血流を停滞させることが問題ですが、酵素の活性の低下も重要なリスクです。酵素活性とは、ヒトの体で、タンパク質からなる酵素が特定の基質と結合し、生命活動に必要な化学反応の速度を飛躍的に高める働きのことです。消化・吸収・エネルギー代謝・解毒・抗酸化など、ほぼすべての生体反応は酵素活性によって成り立っています。凡そ1℃の上昇で30%酵素活性が増し、1℃の下降で30%の酵素活性が低下するといわれています。体温の低下で酵素活性が低下すれば、消化・吸収は低下するし、エネルギーを作ることも停滞、解毒、抗酸化作用も低下します。ヒトの体は常に一定の体温を保つことによりうまく生命の維持をするようになっています。